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昨日の続きのCPUの話。
問題点なんていっても昨日の段階で殆ど言っているようなもので、
大きな問題は以下の4つ。
- 大半のアプリケーションは1個のコアしか使わない(使えない)
- Many Core化したことで単一コアでの性能(クロック)は逆に落ちやすい
- 発熱量(消費出力)の増大と価格差
- SingleやDualCoreでのマージンがありながら販売されない点
最初の1つは昨日も書いた内容。
これを打開するにはOSやらコンパイラやらを大きく変えなくては無理だろう。
少なくとも1年2年で実現されるようなものではない。
二つ目が結構大きい問題で、例えばPentiumDで顕著だったのだが、
最高製品として販売していながらクロックではSingleのPentium4より
劣るという現象が発生していた。
これでは1個目の内容と組みあせて、
「大半のアプリケーションでは最高製品の方が性能が低い」
という現象が出てしまう。
更に3つ目。これもかなり顕著。
最新の3GHzでのIntel Core 2 Extreme QX6850では、TDPは130Wにも達する。
これはPentium Dの一番高かった頃と同一水準。
ところがクロックで同一のCore2Duo E6850でのTDPはそのまま約半分の65W。
そして価格だが、大半のアプリケーションで同一性能のこの2つのCPU。
価格差は4倍を超える29,800\と124,780\である。
最後なのだが2個目と多少被る。
今はわざとQuadの最高クロック製品以上のクロックの、
Dual製品を出さないようにしているというのが問題。
2番目の性能逆転はManyCoreに対応していないベンチマークで明らかなので、
最高製品であるQuadが性能で負けるわけには行かない。
そのため実はまだクロックを上げる事に余裕があるはずのDual製品で、
更に上位のものが出てこない事。*1
もう1つ。下の表の、
http://www.watch.impress.co.jp/akiba/hotline/20071117/p_cpu.html
この2つを見比べてみて欲しい。何故かクロックが低いはずの
下の方が値段が高いという現象が起きているのに気づくだろう。
これは実はFSBを1066から1333に上げて動かす事がほぼ可能という事を、
Intel側が知っていてこんな値段になっているのである。
*2
個人的にオーバークロックは今更する気がないので、
定格のもっと上位の製品が欲しいのに。
今更シングルコアに戻ってくれとまでは言わないが、
シングルスレッドでの最高速度の製品も出して欲しい感じ。
Intelはこのままだと期待できそうにないのでこの辺AMDも考えてくれないものかな。
結論としてとりあえず今CPUを買うのなら、
余程動画のエンコードを速くしたい人を除けば
安くなっているというより安くしすぎているCore2Duoで十分かと思う。
今のCPUの性能と価格・最高製品に関する認識は、
一般ユーザ視点との乖離が激しすぎる気がしてならない。
そういやAMDから今度出るピュアクアッドとやらも
期待を相当下回る性能しか出なかった模様。
やっぱIntelにCoreSoloの3.0GHz程度のTDP30Wくらいで
弱いファンでも動くCPUを出して欲しいなぁ。
あ、勿論ついでにDuoより多少は安くね。
*1:ちなみにサーバ用のXeonだとこの辺もちゃんとして、2コアの高クロック製品も含まれている。>http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20071112/286945/